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引出し事件。

2016年05月31日
こんにちは。
緑のまばゆい季節になりました。すっかり初夏の陽気でちょっと暑いくらいですね。少しずつ雨の日も増えて、梅雨の足音が大きくなってきているような気がします。
日本には四季があり、その移ろいは生けるものの五感を刺激してくれます。特に飛騨の四季はそれぞれに本当に美しく、人々の目を楽しませてくれます。


引出し事件。


引出し事件。


引出し事件。


引出し事件。

しかしながら、作り手としては悩ましいこともあるのです…。それは、気温や湿度の変化によって木が動いてしまうということ。「動く」とは、収縮・膨張により寸法が変化するということです。時には反りや割れの原因にもなっちゃうんですよね…。なので、製作している季節や、使用される場所の気候などを考慮して作らなければならないこともあります。
その最たるものが引出し!

先日納品させていただいた栗の茶箪笥。

引出し事件。

その引出しがなんと12杯も!!!

↓こちらは引出し製作中の一コマ。↓

引出し事件。

さて、全ての製作工程が終了し、いよいよお嫁に行くのを待つだけ。引出しも一つ一つ調整し、ガタつきもなく我ながらいい感じ。塗装の乾燥の関係で、本体からは抜いて置いておきました。

それから2~3日、いよいよ積込みです。本体を先に積んで、そこに引出しを…。引出しを…。ん?引出しを…。引出しが…。

入らないっっ!!! この土壇場に来て嫁入りを嫌がる茶箪笥。

思い起こせば、積込み直前の2~3日は急に気温も上がり、雨も降りました。そういうことか…。そう、引出しの板が膨張して本体と干渉していたのです。未熟でした…。
幸い納品までまだ少し時間があったので、急いで再調整。干渉部分を見極めつつ、鉋でシャシャシャーッと削って完了!いやぁ、勉強になります。
乾燥した時期に作るときは一層注意が必要ですね。ぴったりで作ってしまうと、次の梅雨が来たときには開かずの引出しになってしまうかもしれません。また、飛騨とは全く気候が異なる地域に納品する家具も要注意ですね。あまりユルユル、ガタガタに作っても良くないので、そのあたりのさじ加減が難しい…。経験ですね。

こうして製作を通じて一段一段経験を積んで、お客さんにより良いものをお届けできるよう日々精進しております。引出しに限らず、お手持ちの家具で気になる点などありましたら、お気軽に飛騨コレにご相談くださいね~。

嗚呼、我が娘は元気にやっているだろうか…。

引出し事件。

苅谷悠太

Posted by ヒダコレ at 12:21│Comments(0)工房・制作だより
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